お役立ち情報
2022-12-20
従業員に社宅や寮を貸与するとき、税務上どんなことに気をつけたらいいですか?
【質問】
自社で所有するマンションを社宅として従業員に貸与することを検討しています。
(1)従業員に無償で貸す場合、税務上の問題はあるでしょうか?
(2)従業員から家賃を徴収する場合、税務上の注意すべき点はあるでしょうか?
【回答】
(1) 所得税では、金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額については、各種所得の金額の計算上収入金額とすべきとなっています。
そのため、社宅を従業員に無償で貸与する場合には、下記の賃貸料相当額が給与として課税されます。
但し、看護師や守衛など、職務遂行上、勤務場所を離れて住むことが困難な場合には、無償で貸与しても給与として課税されない場合があります。
なお、賃貸料相当額とは、次の①~③の合計額をいいます。
① (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
② 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル))
③ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
(2) 前項のとおり、従業員に無償で貸与する場合には、賃貸料相当額が給与として課税されますが、従業員から賃貸料相当額以上の家賃を受取っていれば給与として課税されません。
また、従業員から賃貸料相当額より低い家賃を受け取っている場合には、原則として、受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額が、給与として課税されます。
但し、従業員から受け取っている家賃が、賃貸料相当額の50%以上であれば、受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額は、給与として課税しなくて差し支えないとされています。
また、自社が所有している物件に限らず、他から借りて貸与する場合でも、(1)と同様の賃貸料相当額の計算を用います。現金で支給される住宅手当や、入居者が直接契約している場合の家賃負担は、社宅の貸与とは認められないため、給与として課税されますので、注意が必要です。
※2022年12月1日作成
※作成日現在の法令にもとづき作成しています。