税理士法人大手前綜合事務所

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2016-03-08

出向者の給与負担金の取り扱い(出向元法人)

従業員が他の法人に出向した場合において、出向者の給料を出向元が負担する場合は下記のケースでそれぞれ異なる取り扱いとなります。

 

1.出向元が負担する金額と出向者に対する給与が同額の場合
~出向者に対する給与~

給料   ××× / 現金預金 ×××

~出向元が負担する金額を出向先が受け入れたとき~

現金預金 ××× / 収益勘定 ×××

以上の通り、出向元が負担する金額と出向者に対する給与が同額の場合は費用と収益の両建ての処理となります。この場合、収益勘定は消費税の対象となりません。

 

2.出向元が負担する金額が出向者に対する給与よりも多い場合
出向者に対する給与を越える部分に関しては、経営指導料または受贈益となり課税所

得となります。

この場合、経営指導料に該当する場合は役務の提供の対価としての性格を有するため、課税売上となり消費税の対象となります。これに対して、受贈益となる場合は消費税の対象とはなりません。

 

3.出向元法人が出向先法人との給与条件の較差を補填するため出向者に対して支給した場合
この場合、出向元が支給する給与の額は費用となり損金となります。
ただし、補填の理由が合理的(出向者の費用を負担する場合など)でない場合は寄付金となります。(法基通9-2-47)また、この場合消費税は課税されません。

 

~参考~

上記取引が100%グループ法人間で行われた場合、受贈益、寄付金に該当するものは

受贈益の益金不算入、寄付金の損金不算入の規定に従うこととなります。

(法基通9-4-2の5、6)

 

※2015年8月31日作成

※作成日現在の法令にもとづき作成しています。